2018.01.29 Monday
無量寿の世界へ帰る
いま生きている私の命は自分の命ではありません。無量の寿(いのち)に生かされている命です。私たちは自分の意志で生まれて来たのではありません。気づいたら、この時代に、この国に、親を縁として生まれていたのです。しかも自分の意志で男として生まれたのではありません。女として生まれていたら人生は大きく変わっていたでしょう。いま命があるのは食べ物や自然の恵みや、お百姓さん、漁師さん、大工さんなど目に見えない無量の寿のはたらきに生かされているからです。一週間何も食べず飲まなかったら生きていくことはできません。また私たちは自分の意志で歳をとり、老い、死んでいくのではありません。何もしなくても、寝たきりになっても歳をとり、死んでいきます。しかし人間は自我が芽生えると、いのちを自分のものと思うから苦しむのです。自分のものと思うと、我が身が一番かわいくなり、自我中心に生き、自分の命が無くなると思う死が怖いのです。自分の命では無かった、無量寿に生かされているいのちであった、と本当に思えたら死が怖くなくなります。死の不安を解決できます。生まれたら必ず死にます。これは自然の法則です。死の縁が来たら、安心していま生かされている無量寿の世界(浄土)へ帰っていきましょう。