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弥陀の回向のみ名

 親鸞聖人のご和讃に「弥陀の回向のみ名なれば 功徳は十方にみちたもう」とあります。回向とは、仏の功徳を十方衆生に差し向けることです。真実回向、他力回向とも言います。人間がする回向ではありません。どこまでも仏さまの用(はたら)きです。阿弥陀如来が私たち煩悩具足の凡夫をそのまま救うにはこれしかないと見抜いて、阿弥陀如来自身がみ名の仏となられたのです。すなわち南無阿弥陀仏の念仏です。念仏となり私たちの口から出るように仕上げてくださっているのです。私の汚い口から、他人の悪口を言い、愚痴をこぼしている口から、仏さま(念仏)が出てくださるのです。すごいことです。「み仏のみ名を称えるわが声は、我が声ながら尊かりけり」です。「いつも一緒だよ」「また我が出ているよ」「必ず救う、まかせよ」とよび続け私たちの生きる支え・要・土台となってくださっているのです。「人生は苦」といわれるように、生きるということは様々な苦しみに出会います。念仏とはその苦しみを受け止めていく力をいただくのです。その受け止めていく力そのものが南無阿弥陀仏なのです。仏さまの功徳をいただいて生きるのです。

at 01:05, 不死川 浄, -

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