2012.12.25 Tuesday
立像の意味
仏教は苦から出発しています。苦の解決を目的としています。苦の原因は無明煩悩です。無明煩悩により様々な苦しみを起しているのです。この無明を智慧で破り、煩悩を断ち切るところに苦の解決があります。即ち悟りを得ることであり仏となることです。しかし私たち凡夫はどんなに頑張っても煩悩を無くすことは出来ません。凡夫はどんなに努力をしても仏に成ることは出来ません。それ故に仏の方から来てくださっているのです。 浄土真宗のご本尊は阿弥陀如来の立像です。座像はありません。そして前に傾いておられるお姿の立像も多いです。ヨーイドンの姿勢です。このお姿は何を表わしているかというと、私たちが煩悩を無くすことが出来ず、自力では救われないことを見抜いて、阿弥陀如来の方から私たちのところに来て、「必ず救う、我にまかせよ」「決して見捨てない、いつでもどこでもあなたを支えるよ」とよびかけていることを表わしています。いま私たちは阿弥陀さまの願い、お慈悲に抱かれ包まれているのです。阿弥陀さまの願いが私に届くと、煩悩を持ったまま仏にならせていただくのです。