2012.11.26 Monday
本当のご利益
ご利益と言うと、仏や神に祈願して願いが叶うこと、良い結果を得ることと思われています。しかし浄土真宗では願いが叶うこと、良い果を得ることをご利益とは言いません。祈願して願いが叶う保証はないし、仮に願いが叶ったとしても、一寸先はどうなるかわかりません。願いが叶ったと喜んだ帰り道に事故に遭った人もいます。本当のご利益とは、良い果を得ることではなく、確かな因を得ることです。願いが叶っても叶わなくても、病気が治っても治らなくても、良い時も悪い時も、どっちに転んでも大丈夫と言える確かな因・支え・依りどころに遇うということです。確かに病気が治らなかったり、願いが叶わなかったら辛く苦しいです。しかしどうにもなりません。事実を受けとめるしかありません。その時に一緒に苦しみ支えてくださるものに遇うということです。人生山あり谷ありです。良い時も悪い時もあります。良い時は大丈夫ですが悪い時は辛いです、淋しいです、苦しいです。悪い時ほどしっかりと支えになってくれなければ、本当の救い、ご利益とは言えません。念仏に遇うということは、どっちに転んでも大丈夫といえる本当のご利益に遇うということです。