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お慈悲の中(3)

 仏教を聞くとは、いま私がお慈悲の中に生かされていることの発見と同時に、私がいのちの事実に背き、自力で救われない罪悪深重煩悩具足の凡夫であったことの発見でもあります。如来の願いは、救われない私たちを救うために願われているのです。「弥陀の本願は・・・罪悪深重煩悩熾盛の衆生をたすけんがための願にまします」と歎異抄にあるとおりです。また久しく生死の苦海に沈んでいる私たちを救うために弥陀の船が来て下さり、「我にまかせ、必ず救う」とよび続けているのに、生死の苦海に沈んでいる自覚がなければ、いくら「我にまかせ」とよびかけても聞こえるはずはありません。まかせることは出来ません。それ故に、我が身の事実が知らされた時、どこまでもお慈悲の中に抱かれていたことに気づくのです。お慈悲から逃げられない身であったと気づかされるのです。 

at 02:37, 不死川 浄, -

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