2007.10.31 Wednesday
念仏とは何か(9)
念仏とは、阿弥陀如来の名号、よび声、名のりです。我が名を称えて生きておくれ、我が名を生きる支え、より所としておくれという阿弥陀さまの叫びです。念仏者とは、嬉しいときも悲しいときも辛いときも、お念仏を称えて生きる人です。阿弥陀さまの名をよぶことは、阿弥陀さまのぬくもりや温かさが伝わっているから、口に現れてくるのです。たとえば子供が「お母さんお母さん」とよんでいます。「お母さん、用事はないけどよんでみたいの、お母さん」という詩がありました。母親のぬくもり、温かさが伝わっているからよぶのです。名を呼ぶことによって安心できるのです。「おかあさん」と呼ぶ名がない子供はさびしいです。人間は、別れるときも死ぬ時もよく人の名を呼びます。名を呼ぶということは、人間の根本の叫びであり救いなのです。呼ぶ名がない人生は淋しいです。呼ぶ名がある時、いのちは安らぎ落ちつくのです。