2018.12.11 Tuesday
みんないただきもの
鈴木章子さんの『癌告知のあとで』という本の中で、「死にむかって 進んでいるのではない 今をもらって生きているのだ 今ゼロであって当然の私が 今生きている」とありました。私たちは死に向かって生きているのではありません。生と死は表裏一体で、生きつつあるということは死につつあるということです。いつ死んでもおかしくない私たちは、多くのご縁をいただいて、今をもらって生きているのです。生きていればいろいろなご縁に会います。良い縁、悪い縁、苦しい縁、悲しい縁、辛い縁、楽しい縁、腹が立つ縁さまざまです。みんないただきものなのです。心の動きも、行動も、生きるも死ぬも、縁次第でどうなるかわかりません。「さるべき業縁が催せば如何なる振る舞いもすべし」です。地震や不慮の事故でいつ死ぬかわかりません。それぞれご縁の中で生きるしかないのです。そのご縁をいただきものと受け止めるのです。引き受けるのです。今日は腹が立つご縁をいただいた、悲しいご縁をいただいた、苦しいご縁をいただいたと受け止めるとめるのです。仏さまから命をいただき、今生きているからそのご縁に会ったのです。受け止めると悲しみのご縁が喜びのご縁となります。逆縁を活かすことができるのです。