2018.07.17 Tuesday
仏の大海を知ろう
私たち凡夫は井の中の蛙です。つねに自我のメガネをかけ、自我中心に生きています。自我の世界の中で善悪、損得、優劣、勝ち負けを計算しながら生きています。仏教では自我の世界を娑婆とか世間と教え、娑婆、世間を出ることを目的としています。娑婆、世間の価値観では、健康が一番であり、役に立つ人や上に行けば上に行くほど偉いと思われています。仏の大海の世界では、物差しのない世界であり、一切分け隔てがなく、その人がその人のまま、いのち輝く世界です。仏の教えを聞かなければ、仏の大海の世界や、我を超えた世界があることを知らないのです。我が破れなければ救いはありません。一時的な自我の満足にすぎません。いのちが輝きません。虚しく寂しく死んでいくだけです。ただ私たち凡夫は死ぬまで娑婆を出ることはできません。自力では我を破ることはできません。それ故に、真如の世界から来てくださった阿弥陀如来という仏さまは、念仏となり、いつも私たちに、広く大きな大海があることを知らせ、大海に出るようによび続けてくださっているのです。「早く目を覚ましなさい」と心のドアーを叩き続けていられるのです。我が破れ心のドアーが開けば、いつも一緒に大海への道(浄土への道)を歩んでくださっているのです。