2011.02.02 Wednesday
弥陀の船に乗る(3)
弥陀の船に乗っても、現実は生死の苦海に変わりはありません。台風や大波の日も来るでしょう。弥陀の船に乗って、生死の苦海の中で力いっぱい生きるのです。苦悩を乗り越えていくのです。また煩悩いっぱいの凡夫には変わりありません。弥陀の船に載ったからといって、煩悩がなくなったり、賢くなったり、偉くなったりということはありません。逆に私の愚かさ・恥ずかしさ・罪業の身が明らかに知らされてくるのです。「煩悩が木の上からぽタンと落ちた。落ちたと思った煩悩がまたいつの間にか木の上に登っている」と言われるように、すぐ忘れても気づかしてくださるのです。 救いとは、病気が治ったとか、急に人格が変わったとか、現実が変わるのではありません。現実はそのままでいのち輝く身となることです。